北朝鮮が弾道ミサイルの発射を繰り返す中、日本のミサイル防衛を担う海上自衛隊のイージス艦が鹿児島港に入港しています。24日、自衛隊施設以外の民間の港で初めて、弾薬を積み込む訓練をしました。

鹿児島本港・北ふ頭に停泊する海上自衛隊のイージス艦「あしがら」。今月20日に始まった自衛隊の統合演習のため、拠点の佐世保から鹿児島港に入港しました。

(記者)「長さ10メートルを超える弾薬がイージス艦へ搭載されます。慎重に作業が行われています」

北朝鮮などから発射された弾道ミサイルを迎撃する「イージス艦」。24日の訓練は、自衛隊の拠点が攻撃されて使えなくなった事態などを想定し、2本の弾薬を積み込みました。

(散歩中の市民)「なんかかっこいい船がいると思って。世界情勢が不安定なのかと感じる」

鹿児島港は、自衛隊が訓練などで円滑に使える「特定利用港湾」に去年、指定されていて、民間の港で護衛艦に弾薬を積み込んだのは全国で初めてです。

(護衛艦あしがら 石川将司艦長)「近場で(弾薬を)再補給できると、作戦海域から離れる時間が減り、大きな意義がある」

日本のミサイル防衛を担うイージス艦8隻のうちの1つ、「あしがら」。内部を取材することができました。

先ほど弾薬を搭載したばかりの甲板の垂直発射装置です。ここから、弾道ミサイルなどを迎撃するミサイルを発射します。

(護衛艦あしがら 石川将司艦長)「全部で96発分。常に24時間体制で北朝鮮のミサイルに備えている。いつ打たれるか分からず緊張」

敵のミサイルを探知する上で、要となるのが…

(記者)「あちらに見える八角形のパネルは、最新鋭のレーダーです。半径数百キロのエリアを探知できる」

「あしがら」にはさらに、目標を追尾しながら1分間に4500発発射できる高速機関砲や、射程100キロを超える対艦ミサイルなども備えています。

将来的に、敵の射程圏外から攻撃できる長射程のスタンドオフミサイルなどの搭載も想定され、さらに役割が広がる「あしがら」。25日、鹿児島港を出て母港の佐世保に戻る予定です。