「普通ってなんやねん」ユニクロを制服に

“子どもたち自身が話し合って”「100通り」をはるかに超える組み合わせの制服を導入した公立中学校もあります。

生徒が着ているのはパーカーやポロシャツ。しかもグレーにオレンジ、青、緑などカラフルな色のバリエーションです。

実はこれ…「ユニクロで売っている服」。
大阪の『泉大津市立小津中学校』では、2023年からボトムスやシャツ、セーターにカーディガンやパーカーなど、“ユニクロの既製品”を制服にしているのです。

ブレザーやジャージなどと組み合わせた数は…

3年生女子:
「私が入学した時点でも“10万通り以上”はあった。めちゃめちゃあって数えきれない」

一体なぜ、ユニクロを制服としたのでしょうか?

大達 雄先生:
「校則見直しの活動が生徒主体で立ち上がって、“一番見直したいものが服装”と。“子どもたちが話し合って”『ユニクロの商品を活用したらいいんじゃないか』となった」

制服に追加する服は季節ごとに話し合って決めているとのことで、放課後に図書室をのぞいてみるとタブレットを見ながら真剣に意見を交わす20人ほどの生徒たち。

「スウェットとかを入れちゃったら『え?』ってなるかな…。どう頑張ってもゆるく見えちゃうから」
「それはちょっと、ちゃうよね」
「結局“制服感ってなんやねん”みたいな」

色の制限なども特にないといいます。

3年生女子:
「『黒白グレーが普通やろう』っていうけど、“普通ってなんやねん”

ここまでくると、もはや「私服」でいいのではとも思いますが、そこは違うようで…

“制服感”は中学生としては欲しい」(1年生女子)
“小津中感”はあるけど“個性”も出したい。わがまま叶えちゃった(笑)」(1年生女子)

保護者からは「私服との流用ができる」「帰宅したあと着替えないでそのまま家で過ごせる」などの意見がある一方で、色々なものを着たいという子どもの声に応えると「制服代はトントン」との声も。

それでも学校側は、“生徒自身が制服を選ぶ”意味を大切にしています。

大達先生:
“一つ一つの選択の積み重ね”が自分たちの自信であるとか“子どもたちの大きな力”になっていくと思う」

(THE TIME,2025年10月22日放送より)