「定数削減」と「政治とカネ」 優先順位は?

 維新の「政治改革」について。連立に向けての政策協議のなかでは、国会議員を減らす定数削減と、政治とカネの問題に端を発した企業・団体からの献金禁止のどちらを先に実行するか、という優先順位の話になっています。もともと世論は政治とカネの問題の解決を望む声が多かったのではないかと考えられますが、維新は定数の削減を優先しています。

 維新の吉村代表は16日出演のテレビ番組で「それ(献金廃止)一つじゃないので。僕は一番の政治改革のセンターピンは議員定数の削減だと思いますよ」と発言。

 大阪では維新が主導する議員の定数削減が実際に行われています。維新の実績の一つとして捉えている人もいる一方で、「大阪と国では話が違うのではないか」という意見もあります。政治ジャーナリストの武田一顕氏に話を聞くと、国会議員を50人削減すると50億円から75億円程度の支出をカットはできるということですが、国家予算の規模で考えると、果たしてこれは大阪ほどインパクトのあることなのかどうか。逆に、少数意見を切り捨てる側面もあるので、必ずしもプラスのことばかりではないということです。

 さらに定数削減には反対する党も出てくることで国会の混乱を招き、国民が求める物価高対策が停滞するおそれもあります。