「社会も父が悪いと認めてくれた」消えない恐怖と被害の現実

――被害を受けて苦しんでいた、当時の自分に声をかけるとしたら。
里帆さん: 「社会の人も、父が悪いと認めてくれたよ」と言いたいです。心の中ではずっと「自分は悪くない」と言い聞かせていましたが、それを公的に、悪くなかったんだよと言ってあげたいです。
――判決は出ましたが、いずれ父親は出所する。そのことへの恐怖はありますか。
里帆さん: 今回は8年という結果が出ましたが、実質7年ほどで出てくると思います。その時、私は32歳で、父は60歳過ぎ。まだまだ元気な年齢です。
報復が怖いなという気持ちはあります。仕方がないこととはいえ、私の未来に、いつかまた父が何かしてくるのではないかという恐怖はずっとあります。
――逮捕・勾留されている間も、そうした気持ちはありましたか。
里帆さん: 以前よりは安全な場所にいるという安心はありましたが、保釈請求が通るかもしれないと聞くと、出てきたら何かされるかもしれないという恐怖はありました。もし父が出てきたら、スーパーにも行けないかもしれない。そうした不安は今もあります。














