具体的に言うと、「発声障がいの当事者」と「それ以外の人」との間に”見えない壁”のようなものを感じていました。

時刻は深夜2時。
日付が変わり、特集の放送は翌日に迫っていました。

(会話内容を忘れないよう スマホでビデオ録画していました)

「僕が伝えたいことは、一番は発声障がいを知ってもらいたいということです」
私がカメラマンにぶつけると、こう答えてくれました。

「当事者からすると深刻な問題かもしれないけど、当事者ではない人からすると、声のことを深く考えていないかもしれない。だから何の気なしに発した言葉が、当事者からすると心無い言葉に聞こえるのかもしれない」

認識の違いから生まれる、伝わらないもどかしさが、当事者からすると”見えない壁”になっているのかもしれない…私はそう感じました。

発声障がいだけでなく、あらゆる障がいにおいて当事者は世間との間に”見えない壁”を感じているかもしれません。

生きづらさや悩みの全てを理解することは難しくても、私たちには「知ろうとする思い」、「分かり合おうとする気持ち」が求められていると感じました。

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取材:山田 祐也(あいテレビ 報道部)

北海道札幌市出身。28歳。
2017年、あいテレビに入社し報道部に配属。
愛媛の夕方ニュース番組『Nスタえひめ』キャスター。
記者・アナウンサーとして、2018年の「西日本豪雨」では愛媛県内で被災地取材と全国中継などに奔走する。
妻と娘とメダカとの、3人と10匹暮らし。日課は自宅の風呂掃除。