“実の父親を訴える” 決意するも葛藤

 転機となったのは夫・佳樹さんとの出会い。被害を打ち明けました。

 (夫・佳樹さん)「つらかっただろうなと。こんなことに本気で力を全力で貸してくれる人は少ないし、一にも二もなく『助けるよ。俺が力になるよ』と」

 過去を断ち切るため、父親を罪に問うと2人で決めました。3年前、2人は里帆さんの実家で父親本人を問いただしました。

 【里帆さん提供の音声より】
 (里帆さん)「私を性的対象と見始めたのはいつなんだろう?いつなんですか?」
 (大門被告)「中学生くらいとか、そんなときじゃないかな」
 (里帆さん)「快楽のため?性的嗜好のため?」
 (大門被告)「理由とかははっきり…これという理由はない。わからない、言葉にして出せない」

 「家族を訴える」。そう決断した里帆さんでしたが、心は揺れ続けました。

 (福山里帆さん)「(父親とは)旅行に行ったりとか、楽しい気持ちがあるので、憎み切れないのがつらい。別に好きとか嫌いとかそういうのではないですけど、どうしても血がつながっている実の親だから、憎み…一生憎み切れないと思います。今はそう思ってしまう」