金沢市の泉鏡花文学賞の選考会が17日行われました。

今年は高村薫さんの「墳墓記」と、木内昇さんの「奇のくに風土記」の二作品が選ばれました。

泉鏡花文学賞は1973年、全国で初めて地方自治体が主催する文学賞として金沢市が制定し、今年で53回目を迎えます。

受賞作となった高村薫さんの「墳墓記」は、能楽師の家に生まれるも跡を継ぐことなく、家族と決別して自死を図った男が見た夢を古典の言葉と現代語を織り交ぜて描いた作品です。

高村薫さん「男性女性あるいは年齢に関係なく読むことに喜びを見出す、そういう方に読んでいただけたら」

木内昇さんの「奇のくに風土記」は幕末の本草学者・畔田翠山の半生を描いたもので、異界の存在が見える主人公が亡き父や天狗に導かれ成長する物語です。

木内昇さん「身近なものを楽しめるというか、足元に目を向けると素晴らしいものがある。翠山の目を通してみていただきたい」

授賞式は11月下旬に金沢市内で開かれます。