関税交渉など日米間の懸案は片付いたばかり
長く厳しかった日米関税交渉が、80兆円の対米投資計画と共にようやく決着したのが、この夏のことです。為替についても、日米間の温度差を埋める共同声明まで発出するなど、懸案が片付き、円滑な意思疎通ができたところでした。加藤財務大臣にしてみれば、とんだお土産を抱えてしまった最後の外遊となりました。
新政権はいきなり大統領訪日の試練に
新しい政権が誕生するのは、21日以降になりそうです。そこから1週間もしないうちに、韓国でのAPEC会議を機に、トランプ大統領が日本を訪れる予定です。新総理大臣は、わずかな準備期間で、トランプ大統領との日米首脳会談を行わなくてはなりません。
全体の9%近くを占めるサハリン2からのLNGが輸入できなくなると、代替供給先を確保するのは大変なことですし、そのためにLNG価格が上昇すれば、電気・ガス代が上がることも覚悟する必要があります。物価高対策を最優先とする新政権にとっては、さらに頭痛のタネが増えることになります。
トランプ大統領からの様々な要求に身構えなければならない中で、新総理大臣には、サハリンLNGという難題も背負う、試練の外交スタートとなりそうです。
播摩 卓士(BS-TBS「Bizスクエア」メインキャスター)