青森県内でもクマの出没件数が過去最多を更新するなか、自治体の判断で発砲できる緊急銃猟が課題となっています。県は、市町村向けのマニュアルを作成し、11月中に配布する計画です。

県内のクマの出没件数は、10月13日時点で2183件となり、統計をとり始めてから初めて2000件を超えて過去最多となりました。

クマは住宅近くにまで姿を現すことがあり、現場周辺の住民からは不安の声が上がっていました。

こうした中、宮下知事が中南圏域との意見交換会で議論になったのは、自治体の判断で発砲できる「緊急銃猟」が9月から始まったことでした。市町村は安全確保の手順などを定める必要があり、宮下知事は参考となるマニュアルを作成し、11月に配布する方針を示しました。

青森県 宮下宗一郎 知事
「緊急銃猟は前回、意見交換させていただいた。それを踏まえて全県でマニュアル化に向けて取り組む方向性でいる」

また、宮下知事は2026年度以降、クマの対策についてどういう体制がふさわしいか組織の見直しを含めて考えたいとしています。

それでは、緊急銃猟について紹介します。
県内では2024年6月、八戸市市川町の民家近くでクマが目撃された際、地元の猟友会が発砲しました。

この時は、ハンターの近くに現れたため、その場で、警察官の命令を受けて発砲しました。

その後、2025年9月1日に改正鳥獣保護管理法が施行されました。
クマなどが人の生活圏に侵入し、銃猟以外での捕獲は困難などとされた場合に市町村長の判断で銃による捕獲を認める「緊急銃猟」が始まりました。

この緊急銃猟をするには、各市町村が安全確保の手順を定めることが必要なのですが、マニュアルを作ったのは現時点で平川市のみとなっています。宮城県仙台市太白区では15日に全国で初めて、緊急銃猟によってクマが駆除されています。

県内でも、これから早急に体制づくりをしていかなければなりません。