行方不明になった状況…どうしよう「血の気が引いた」
そのコアちゃんがいなくなったのは8月2日の朝。保育園に向かう途中だった。
ゆずちゃんの保育園の送迎には自転車を使っている。

「コアちゃんといく」と言う娘にヘルメットをかぶせ、後ろの子どもシートに座らせる。コアちゃんは娘が抱っこする。「保育園が終わったらお祭りに行こうね」と、話しながら保育園に向かった。
保育園に着くと、ゆずちゃんが後ろのシートにコアちゃんを置いて、声をかける。「コアちゃん、ここでまっててねー」いつもの光景だけど心がなごむ。
ゆずちゃんを教室に連れていったあと、しおりさんはそのまま自転車で家に帰った。
「コアちゃんがいない!」
気づいたのはその日の午後4時前。保育園にお迎えに行こうとした時だった。
朝、いつもだったらコアちゃんを娘のヘルメットに入れ、目が届く前かごに置く。でも、この日は体調もすぐれなかったし、考え事もしていた。コアちゃんを確認していなかった。

保育園から自宅までの間、コアちゃんを子どもシートの上に「ぽんと置いたたままの状態」で自転車を動かしていたことになる。
慌てて自転車を確認したが、コアちゃんはいなかった。
「どうしよう…」
血の気が引いた。
ゆずちゃんのお迎えに向かいながら、保育園までの道をざっと確認したが見つからない。もっとしっかり探したかったが、この日はお友だち家族とお祭りに行く約束をしていた。
お祭りの間もずっとそわそわしていた。午後7時ごろバイバイして、すぐ通園路の途中にある交番に駆け込んだ。「落とし物として届けられているかも」という期待があったが、「届いていない」という答えだった。警察官に勧められて遺失物届を出した。
夫が仕事から帰宅したあと、もう一度通園路を探したが、コアちゃんの姿はなかった。夫も1時間ぐらい探しに行ったが見つからなかった。