娘の大のお気に入り 子育ての戦友…コアちゃんとの特別な2年間

鹿児島市に住むイラストレーター・しおりさん(30)。関西出身で、転勤族の夫(36)と、2歳半の娘ゆずちゃんの3人で暮らしている。鹿児島暮らしは3年目だ。

ゆずちゃんの大のお気に入りは、コアラのぬいぐるみ「コアちゃん」。

最近始めたおままごとには全部コアちゃんが参加。ミルクをあげたり、ごはんを作ってあげたり。外出先にも遊び場にもいつも一緒だった。

「どこへ行くにも一緒」しおりさん・ゆずちゃん・コアちゃん (しおりさん提供)


しおりさんにとっても、コアちゃんは子育ての親友だ。

娘が「イヤイヤ」でご飯を食べない時、お風呂に入るのを嫌がる時、公園から帰ろうとしない時、コアちゃんが助けてくれた。

「私もめっちゃ大切にしてて、頼りになる親友、戦友やったんです」(しおりさん)

コアちゃんとの出会い「生後半年から一緒」

コアちゃんとの出会いは2年前、オーストラリアのシドニー国際空港だった。

ゆずちゃんを出産して半年ほど経ったころ、親友から旅行に誘われた。「子どもが生まれたばかりだし」と最初は断ったが、夫が「ゆずは自分が見るから大丈夫。気分転換に行っておいで」と背中を押してくれた。

迷いに迷ったが、思い切って「現地で1泊2日ぐらい」の強行日程でオーストラリアに行った。

娘へのお土産は悩んだ。ぬいぐるみにしたかったが、かわいいのが見つからない。

「無理に買わなくてもいいかな…」と思った時、出会ったのがコアちゃんだった。保安検査場を過ぎた搭乗口エリア近くのお土産店。並ぶコアラたちの中から、大きな耳に丸顔で優しい目をした一番かわいい子を選んだ。

コアちゃんと見つめあう 赤ちゃんの頃のゆずちゃん(しおりさん提供)

そんなわけで、娘は生後半年からコアちゃんといつも一緒。

近くにコアちゃんがいないとご機嫌が斜めになる。さすがによだれの臭いがするようになった時は、娘が寝ている隙に洗濯して干した。

朝になって起きた娘は、リビングに逆さに吊るしてあるコアちゃんを見て「いじめちゃだめ」と泣いて怒った。

しおりさん自身もぬいぐるみが好きで、家には40を超えるぬいぐるみたちが暮らしている。新しい子をお迎えすることもあるが、娘の一番は不動で「コアちゃん」だった。