さまざまな事情で、実の親と離れて暮らす子どもに、一軒家を提供して里親と暮らしてもらう「子どもの村福岡」(福岡市西区今津)は、虐待防止のためのショートステイ事業など、里親活動以外にも子どもの暮らしを支援する取り組みを進めています。RKB毎日放送の神戸金史解説委員長が、10月14日放送のRKBラジオ『田畑竜介 Grooooow Up』で、村が市街地に作る新たな拠点について、事務局次長に話を聞きました。

「村」の外に飛び出す

神戸金史解説委員長(以下、神戸):この番組でたびたび取り上げてきた「子どもの村福岡」。今日はスタジオに、「SOS子どもの村JAPAN」の藤本正明事務局次長にお越しいただきました。

藤本正明事務局次長(以下、藤本):よろしくお願いします。

神戸:「子どもの村福岡」は、福岡市西区今津に一軒家を5軒持っていて、そのうち3軒に里親さんが住み込んで子どもたちと暮らすという、かなり特殊な場所ですよね。

藤本:そうですね。日本ではあまりないと思います。

神戸:里親さんは普通、自分の家に子どもさんに来てもらって養育に当たる形がほとんどですが、「村」に住み込むというすごく変わった暮らしをしていたので、私たちも興味を持って取材してきました。その「子どもの村福岡」が西区今津から外に飛び出す取り組みを始めようとしている、というお話をうかがいました。どういうものですか?

藤本:福岡市西区の姪浜に新しい拠点を作ることになりました。姪浜駅から徒歩10分くらい、旧唐津街道沿いの古い町並みの生活の場に拠点を作るのですが、その意味をお話しする前に、社会的背景から少しお伝えします。