まるで「熟年離婚」のようだとの声があがっている、自民党と公明党の連立解消劇。
北海道内選出の国会議員にも大きな影響を与えそうです。

北海道上士幌町にある「タウシュベツ川橋梁(がわ・きょうりょう)」。傷みが激しく、いつ崩れるかわからないと言われながら、なんとか踏みとどまってきました。

その一方で、26年間続いた「連立のかけ橋」は一瞬で崩れてしまいました。

公明党 斉藤鉄夫代表(10日)
「自公連立政権については、一旦、白紙とし、これまでの関係に区切りを付けたい」

中央政界に走った激震は、遠く北海道にも…。

自民党 中村裕之衆院議員(11日)
「佐藤英道さん見なかった?じゃあ入っていいのかな」

11日、札幌市で開かれた自民党の中村裕之衆院議員が大会長を務める少年野球大会です。
当初、出席予定だった公明党の佐藤英道衆院議員の姿が見えません。
引き継ぎを兼ねた地元回りの一環でした。

中村裕之 衆院議員
「なんかね。来る予定だったんですけど、用事ができたそうで、電話が入りました。(Qご本人から?)そうです。昨日の今日なんで。大変なんだと思いますね」

北海道内の自公連携を巡っては、9月9日、新たな「象徴区」として、自民・中村氏が、比例名簿で優遇されることを条件に、地盤である北海道4区を公明・佐藤氏に譲ると発表されたばかりでした。

公明党 佐藤英道衆院議員(11日)
「私自身は重い発表であった。党員や支持者の方々の思いを丁寧にお聞かせいただくことがまずは先決」

いわば「新婚関係」の突然の破綻に中村氏は困惑を隠せません。

中村裕之衆院議員(11日)
「当日の朝(佐藤氏から)連絡をいただいて「北海道の自公の友情は変わりませんから」というような事をおっしゃったので、それはありがたい事なんですが、どう受け取っていいのかなというふうに正直戸惑ったというのもあります」

そして、自公連立解消がもたらす影響は「象徴区」だけではありません。道内全体に影を落とします。

次の衆院選から地盤が自民党へ戻るため、北海道10区の渡辺孝一氏は小選挙区での勝利を目指し、後援会の立ち上げを進めていました。
期待するのは、各選挙区で1万から2万票と言われる北海道内の公明票です。

自民党 渡辺孝一 北海道第10選挙区支部長(11日)
「タイミングですか?最悪です、協力がなくなったというならそれはキツイですよ、ぼくがジタバタして解決する問題でもないし」

前回の衆院選で6区と12区が1万票以内の差で自民が勝利した激戦区でした。

立憲民主党 北海道総支部連合会代表 勝部賢志参院議員(11日)
「(公明党とは)政策的には近いところがあると思っています、政策実現の協力関係、態勢は十分に取れるのではないか」

公明党は連立の枠組みから外れるものの、「人物本位」での協力もあるとしていて、今後の展開が次の衆院選の勝敗を大きく左右しそうです。