■質問権行使は1度で終わるのか?懸念される「長期戦」

質問権をめぐる動きは今後どうなるのか、実は不透明だ。旧統一教会の回答期限は12月9日だが、ある文化庁の幹部は「1度の質問権行使では終わらないと思う。何回になるかわからない」と話す。回答の内容が十分ではなかった場合、追加質問が必要になるためだ。仮に2度目の質問権を行使するとなれば、また質問内容などを宗教法人審議会に諮問しなければならない。その後旧統一教会へ質問文書を送ることになるわけだが、回答の期限を今回と同じように3週間程度設けると、質問内容の諮問、質問文書の送付、回答を待つ…それだけでまた1か月程度かかってしまう。もしも複数回の質問権行使となれば長期戦になることは避けられない。

さらにその「先」には、解散命令請求に至るかどうかの判断もある。関係者は口をそろえて「できるかはわからない。相手次第だ」と話す。旧統一教会側がどのような回答をするのか、それも踏まえた上でどれくらいの法令違反が見つかるのかどうかによる。

解散命令請求をしたとしても「彼ら(旧統一教会)も徹底抗戦でくるだろう」と文化庁幹部は推測する。文科省の幹部も「訴訟になることは考えておかないといけない」と話していることからも、解散命令請求を行うとしても一筋縄ではいかないだろう。

旧統一教会側は取材に対し「誠実に対応させていただく」とコメントしているが、どのような回答になるのか、それによって文科省や関係省庁がどのような動きを見せるのか。注目される。

(TBSテレビ報道局社会部 山﨑康平)