“工事費未払い問題”に充てられないのか?

 一方で、万博をめぐっては海外パビリオンの建設工事費の未払いが問題となっています。運営費の黒字分でこうした“未払い”を救うことはできないのでしょうか。

 工事費については、11の海外パビリオンで30以上の建設業者が未払いを訴えていて、中には裁判に発展しているケースも。裁判の損害賠償の請求額などから見ると、未払いの金額は少なくとも5億円以上にのぼっているとみられます。

 (清水記者)「未払いを訴える業者の方は、皆さんが楽しんだお金が運営費の黒字分なのではないかと。その楽しんだ背景には、汗水たらして頑張った建設業者の人たちがいた。であれば、未払いで被害を訴えている業者さんに黒字分を補填してもいいんじゃないかと訴えています」

 一方で、博覧会協会や経産省の幹部に取材すると、運営費の黒字分をそのまま未払い被害の業者に補填するのはなかなか難しいということです。

 理由の一つは、博覧会協会と未払い被害を訴える業者が直接契約の関係にないこと。つまり、現時点で博覧会協会側にお金を支払う義務はありません。

 また、運営費を未払い被害の業者に充てられる法律や法令はなく、根拠がないというのが協会側の意見です。