沼津市で酒店を営む大川さんと、看板猫のコタローくんです。
大川さんのお店では長年、猫を飼ってきました。
<大川りえこさん>
「お手洗い・トイレで困ることがあります。梅雨の時期とか、湿度が高いときは、においが気になりますね」
8日のSDGsはコタローくんも興味津々なにおい対策をしたトイレの砂。
これまで捨てられてきた茶殻に新たな価値を見いだし、ペット用品に生まれ変わらせた「ニオイが気にならない砂」です。
新しいトイレの砂を開発したのは富士市にあるペット用品メーカーの「コーチョー」です。
<コーチョー 渡邉俊副社長>
「こちらをご覧ください、中身のお茶色の部分にたっぷりと茶殻を入れております」
この色が濃い中心部が静岡茶の茶葉です。
緑茶に含まれる「カテキン」がアンモニアなどのトイレの悪臭となる成分を吸着して、中和します。
<コーチョー 渡邉俊副社長>
「商品の特長として、重曹とクエン酸を外側にまぶしています」
粒の表面の白い部分には▼アルカリ性のにおいを中和する「クエン酸」、▼酸性のにおいを中和する「重曹」、さらに▼抗菌作用がある「銅イオン」を含ませ、消臭効果を発揮する仕組みです。
水を落とすと30秒ほどで水分が固まり、使用済みの部分は緑色になります。
<コーチョー 渡邉俊副社長>
「これはカテキン成分のにおいなので、消臭がこれからどんどん進んでいきます」
ここは、茶殻が運び込まれる専用の搬入ヤードです。
複数のトラックが一度に入ることが可能です。
<コーチョー 渡邉俊副社長>
「これで3トンの茶殻になります。静岡県には多くの飲料メーカーがあって、工場からから出てくる茶殻なので。静岡県の茶殻が焼却処理されているという現実を知り、これを解決したいということで茶殻から猫砂を作ろうと」
県内では、お茶飲料の製造過程で抽出を終えた大量の茶殻が排出されます。
一部は家畜の餌や堆肥に使われますが、焼却や埋め立てで大量に処分されています。コーチョーは、廃棄物の茶殻を生まれ変わらせる、アップサイクルすることを決めました。
「我々はヒノキやオカラの猫砂の製造を10年以上続けています。茶殻を試作してみたところ非常に消臭効果が高いことが分かり、製品化したいと考えました」
「茶殻の猫砂、違いを感じますか?」
「いいにおいなんです。お茶なのかな。自然の香りというか、においを付けたにおいではない、芳香剤ではない自然な香りが」
廃棄物だったお茶殻。猫と飼い主の快適な暮らしをサポートする大きな力となっています。