麻生氏の影響大 “高市カラー”は出せるのか?
小川彩佳キャスター:
初の女性総裁誕生というニュースをどう受け止めましたか。

小説家 真山仁さん:
「結果的に女性だった」ととらえることもできますし、永田町の政治の「一寸先は闇」という言葉もありますが、誰も予想できていない展開が次々と起こって驚きました。
高市氏が総理になれるかどうかは決まってないということなので、公明党だけではなく自民党の中にも色々と渦巻くものがあるでしょう。
本当はこういう時こそ野党が頑張りを見せて連立して挑んで欲しいです。その方が政治としては安定するかもしれないですし、緊張感を持って欲しい。最終的に高市氏になったとしても「ここでやった」というものが欲しいです。
そういう意味では何が起きるかはまだまだわからないと思います。
藤森祥平キャスター:
新たな執行部には、副総裁に麻生太郎氏、そして幹事長には麻生氏の義理の弟で麻生派幹部の鈴木俊一氏。麻生カラーが強く出ている中で、仮に総理になった高市氏が自分のカラーを出せるのかどうか。

力を込めている経済政策について、高市氏は財政的には「積極財政」派です。
しかし、財務大臣を経験している麻生氏、そして鈴木氏は「財政規律を重視」しているということで、財務省の幹部からも「麻生さんに頑張ってもらうしかない」という声が上がっているということです。
例えば、高市氏が年収の壁の引き上げなどで国民民主党と組もうと思っても、麻生氏、鈴木氏と考え方が違うので、本当にできるのか。

小説家 真山仁さん:
自民党の特徴として、良くも悪くも「独裁を許さない」という文化があります。石破総理もそうですが、個性がどこまで出せるか。簡単に自分のやりたいことだけはできず、そうした中で、これからイライラが溜まっていくでしょう。
納得して政策が固まっていけばいいですが、顔ぶれを見ていると、みんながどう我慢するのかという我慢比べになりそう…政権を維持したいとは思っているでしょうけど。
小説家として妄想をすると、1か月後に麻生氏と高市氏が喧嘩していても私は驚きません。どれだけコミュニケーションを取れるかだと思うので、恩がある・ないではなく、きちんとコミュニケーションを取ってほしいです。
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<プロフィール>
真山仁さん
小説家 2004年「ハゲタカ」でデビュー
近著に政治家のリーダーシップを描いた「アラート」