消費期限偽装「問題が起こった店舗は、ほぼ任せきりになっていた」

 中村さんは、偽装が確認された東大阪市内の2店舗を経営していました。店舗で実際に行われていた、消費期限偽装の手口とは…

 (店舗オーナー 中村尊人さん)「2~3時間かけて(おにぎりや惣菜を)作る。全て作り終わってから消費期限のシールを発行して貼っていた」

 中村さんの店では、夜勤の従業員は翌朝用のおにぎり60~70個を毎晩ひとりで作ることになっていました。
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 全て作り終えるのに3時間ほどかかりますが、最後に同じ消費期限ラベルを“まとめ貼り”していたのです。つまり、最初の方に出来上がったおにぎりには、本当の消費期限より最大で3時間遅らせたラベルが貼られていました。

 不正なラベルの貼り付けは「従業員たちが自らの判断で始めたこと」だといいますが、なぜ、こうした手法が取られてしまったのでしょうか。

 (中村尊人さん)「(手づくりおにぎりは)作業にすごく時間がかかる。現場の私たちにとっては負担になるような商品」

 一方で、オーナーの中村さんは店で不正が行われていることに気づかなかったといいます。

 (中村尊人さん)「3年近く前から、今回問題が起こらなかった4店舗を主に見ていました。問題が起こった2店舗は、ほぼ”任せきり”になっていた。シールを数時間ずらすことがお客様の食の安全に関わる問題だ、という意識がみんなに少なかった。あまり考えていなかったということはあると思います」