「今回は党員票が効いたと真正面から説明しないと」
行政学者の神戸学院大学・中野雅至教授は「僕は政局報道の手のひら返しの激しさにちょっと呆れている」と苦言を呈します。
(中野雅至教授)「総裁選の前、麻生氏が差配できる票なんてほとんどないと政治ジャーナリストみんな言っていたわけですよ。それが急にキングメーカーって言い出したでしょ。政局報道、もういい加減にした方がいいと思います、そういう報道のやり方。僕は党員票が大きいと思うんですよ。」
「それなのに、また麻生氏をキングメーカーとか新聞やテレビが取り上げるから、ますます調子に乗りますよ。それって政治が逆戻りするだけですよ。ちゃんと今回は党員票が効いたと真正面から説明しないと、何でもかんでも裏の政治の取り引きじゃないからね。(高市氏と小泉氏の)党員票がもう少し競ってたら、小泉氏に行った可能性もある。ここで議員心理がどう動いたかという話であって、高市氏が何をやるか見た方がいい。キングメーカーに縛られたら『縛られただけの存在やった』と報道すればいいんですよ」
これについて武田氏は、麻生氏と政策の違う部分に、高市氏がどう出るかが注目点になると見立てています。
「鈴木俊一氏も麻生太郎氏も財務大臣の経験者で、消費税の値下げには頑強に抵抗する人で、高市氏は消費税を下げたい。そういうところで出てくるわけですよね。それでも高市氏が消費税を下げると言うんだったら、麻生さんの影響力なんて実は、ってことになるけども、どうなるのかはこれからわかってくると思います。ある意味で『二人羽織政権』になっちゃうんですよ。政治的な力は麻生さんの方が上だから、人事を握られるとこうやって麻生さんが後ろで二人羽織でやってるというふうになりかねない」
高市氏は今後どう動くのか。羽交い締めとなるなのか、それを振りほどいて自身がやりたいことをできるのか、見ていく必要がありそうです。