格差による不満が「外国人」に… イギリスやアメリカでも

5月、イギリスでは右派政党「リフォームUK」が地方選挙などで躍進。彼らも、暮らしが良くならない人々の不満の矛先を移民に向けました。

リフォームUK ファラージ党首(9月30日)
「我々は、不法移民をわが国から退去させたいのだ。我々は福祉制度をイギリス市民のみに限定することを望んでいる」

イギリス市民
「移民が私たちを貧しくしている。住宅も医療もひっ迫している。移民を受け入れれば受け入れるほど、コストがかかる」

そして、格差が広がるアメリカでもまた、不満のはけ口は移民に向けられています。

トランプ大統領(6月)
「アメリカの都市が外国の敵に侵略され、占領されることは許さない」

そして日本でも、「外国人政策」が先の参院選や自民党総裁選でも、大きな論点となりました。

外国人など、特定の集団に向けられる人々の不満。背景の一つにあるのは、日本でも広がる格差です。

実際、2024年の国税庁の発表によると、日本でも給与所得が300万円以下の層が3割を超えています。世論調査では、「既存の政党や政治家は自分を気にかけていない」という問いに、68%が「そう思う」と回答しています。(イプソス「ポピュリズムレポート2025」より)

高千穂大学 五野井郁夫 教授
「欧米などの先進諸国においては、あるいは日本もそうですが、分厚い中間層が崩壊していき、富める者と貧しき者との二極化がかなり進んだ。本来は政治の側が適宜、財の再分配などを行うことによって不満を解消すればいいわけだが、人々に対する手当というものを打ち切っていく政策をこの30年ぐらいとっていた。政府は自分たちの方を向いてくれていないのではと非常に孤立感を感じる人がすごく多く、そうするとポピュリズム政党と一般的に呼ばれる政党は、世の中が急に変わるかのような幻想を抱かせる」

今、格差を背景に、ポピュリズムが世界に広がっています。