ヨーロッパでは、40年ほど前から始まった「シェンゲン協定」で、加盟国の市民が入国審査なしで自由に国境を行き来してきました。しかし、最近はその様子が様変わりしています。原因は「移民対策」です。
ドイツとポーランドの国境をつなぐ「オーデル橋」。私たちはこの日、路線バスに乗りドイツ側からポーランドへ入国しました。
記者
「いまドイツからポーランドに入国しました」
国境には警察官の姿が。乗客の顔を1人ずつ確認し…。
記者
「いまドアが開きました。警察官が中へと入ってきました」
ポーランドの国境警察
「パスポート検査だ。ナゼかって?移民だ、移民。入国に必要な書類を持っていない人がたくさんいる」
移民かどうか確認するために、突然、入国審査が行われました。
2015年の難民危機以降、中東や北アフリカ、ウクライナなどから紛争や内戦などを逃れ、ヨーロッパに入国してくる難民が増加。2022年にEUに流入した移民は530万人以上にのぼっています。
この事態を受けて、ヨーロッパでは右派ポピュリストや極右政党への支持が高まり、移民排除の動きが加速しています。
今年5月以降、ドイツでは移民政策が厳格化し、検問所を拡大しました。これにポーランドも対抗するように、およそ20年ぶりに検問所を復活させました。
ドイツ側の国境で止められた人
「私たちが難民に見えたのでしょう。週に2回も止められることがあって、ただ時間を無駄にしてる感じです」
この地域では、ドイツ側だけで、今年1月から8月末までに不法移民として3000人以上の入国を拒否しています。
一方、ポーランドの国境の街には大きな影響を与えていました。
ドイツ側から青果店に訪れた人
「インゲンはここでは3ユーロだけど、ドイツでは5ユーロ。キュウリも2.5ユーロで、ドイツの半額です」
ポーランドは物価が非常に安く、多くのドイツ人買い物客が国境を渡ってやってきていましたが、検問所ができると激減したといいます。
美容室の経営者
「客の90%がドイツから来る人です。(国境付近で)店をやっている人はみんな、以前より30%から40%売り上げが落ちています」
一方、ドイツ側では、検問がEU全体に影響を及ぼす可能性があると指摘する声があがっています。
ドイツ・フランクフルトオーデル市観光局 トマーシュ・ピラルスキーさん
「毎日、約860億円もの物品がドイツとポーランドの国境を越えて輸送されている。国境検問による車の渋滞は、サプライチェーンを脅かす不安要素になる」
国境の検問所はイタリアやオーストリアなどでも一部で復活していて、「移動の自由」を掲げるEUが失われつつあります。
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