いよいよ最終盤を迎えた自民党総裁選。小泉氏・高市氏・林氏の三つ巴の展開で、この3人のうち2人による決戦投票がほぼ確実な情勢となっています。10月1日で郵送による党員投票は事実上の締め切りとなっているため、上位3人の陣営は国会議員票の積み上げにしのぎを削っています。
決選投票に進めるのは一体誰なのか。そしてカギを握る要素とは…。MBS解説委員・大八木友之氏が解説します。
「解党的出直し」の今回の総裁選 盛り上がりに欠ける?
終盤に差し掛かっている自民党総裁選。10月2日、大阪市内では5人による演説会が行われました。小林鷹之氏、高市早苗氏、茂木敏充氏が出席し、小泉進次郎氏と林芳正氏は公務のため動画での演説会参加となりました。会場には約800人の聴衆が参加していて、そのうち約500人が自民党員、抽選で選ばれた一般の人が約300人だということです。
ーーー告示後3か所目の演説会ですが、動画での演説会参加は珍しいですか?
(大八木友之解説委員)「小泉氏の場合は、閣僚級の会合があるため動画での演説は予定されていたものだと思います。林氏は官房長官という立場のため、なかなか東京から離れにくいところはあります。また、石破総理が出張の予定が入っているため、余計に東京から離れにくかったという面はあると思います。総裁選期間中で動画での演説というのは珍しいです」
ーーー今回の演説会は質疑応答はないということです。演説が終わった林氏、高市氏、小泉氏の演説はどうでしたか?
(大八木解説委員)「会場には大勢の人が来ていたようですが、3人ともにこれまでの主張とは変わりない内容でした。高市氏は唯一会場で演説しましたが、これまでの主張をさらに強めたところはありましたが、新しい話は出ていません。総裁選は盛り上がってはいないという印象はありました」
ーーー総裁選には「党員票」と「国会議員票」がありますが、「党員票」の投票の締め切りが10月3日で、基本的には郵送で行われるため、すでに投票を済ませている党員が多い中で、なぜこのタイミングでの演説会となったのでしょうか?
(大八木解説委員)「前回の総裁選は15日間がありましたが、今回は12日間と日程も絞られてきました。自民党としても新総裁が選ばれる、盛り上げていこうというよりはどちらかというと解党的出直しのため、粛々とやりたいという面もあります。演説会の会場としては東京、愛知、そして大阪ですが、スケジュールを組んでいくと、党員の投票が間に合わないところに大阪が入ってきたという形となって、そこも盛り上がりを欠いている1つの要因かなとも思います」