寄生率が極端に低い「関サバ」

小林教授は2014年から2年間かけて、大分市佐賀関と大分県南部、九州西部の3つの海域でサバへの寄生率を調査。その結果、九州西部が75%、県南部が38%だったのに対し、佐賀関でとれた関サバは6.8%と極端に低いことがわかりました。

小林教授:
「水産関係者の間では、関サバは瀬戸内海を回遊して豊後水道に下りてくると言われています。ほかの海域の群れと交わらず、感染したオキアミを捕食しない『系群』をつくっていると考えられます」

対策は「加熱」「冷凍」

寄生率が低いとされる関サバを提供する大分市の飲食店「こつこつ庵」では、対策を徹底。アニサキスは寄生している魚が死ぬと内臓から身の部分に移動するため、この店では市場から届いたらすぐに内臓を処理しています。また、アニサキスを簡単に見つけることができる特殊なライトも活用しています。

こつこつ庵・松浦力料理長:
「万が一お客さんにアニサキスが出て苦しむことが絶対ないようにしています。関アジ・関サバは大分のブランド魚なので、安心して食べてもらいたいと思います」

アニサキスを確実に予防する方法は、70度以上で加熱するほか、マイナス20度以下で24時間以上冷凍することです。そして、生魚を楽しむためにはアニサキスが潜んでいる可能性を理解した上で、目視で確認したり、新鮮な魚を選んだりと正しい知識が必要です。