国が定める被爆地域の外で原爆の放射性微粒子を浴びた「被爆体験者」らが、被爆者健康手帳の交付を求めている裁判の控訴審 第4回口頭弁論が10月1日、福岡高裁で開かれました。最初の提訴からまもなく18年。当初は1日に結審の見通しでしたが、弁論は続行となりました。
被爆者健康手帳の交付を求めているのは、「被爆体験者」43人です。

第2次全国被爆体験者協議会・岩永千代子原告団長
「亡くなった人たちの思いを、言わせてもらいます」
法廷では原告団長の岩永千代子さんが意見陳述し、多くの人ががんなどで亡くなった実態を声を詰まらせながら訴え、「放射性微粒子による被爆の実態であることを問いたい」と述べました。
また原告弁護団は広島ではすでに被爆地域の外にいた7,700人を超える「黒い雨」体験者が国の新たな基準で被爆者と認められているとして広島と長崎で国の対応が違う不合理を訴えました。
被告の長崎県・市・国は原告に放射線の健康影響があったことを示す「科学的・合理的根拠がない」と反論していて、きょうの法廷で、さらに一部反論する考えを示しました。

原告代理人・三宅 敬英弁護士
「結論からすると、次回でも結審しません」

裁判は当初、1日に結審の予定でしたが、裁判長と主任裁判官の交代を受け、次回、放射性物質の降下範囲やその健康影響などを中心に主張の要点を改めて説明することになりました。
原告弁護団・三宅 敬英弁護士
「地図とかでどのあたりに(放射性物質が)降ったとか、科学的なことの説明をもう少ししてほしいと言われた」

原告弁護団・足立 修一弁護士
「私たちがポイントだと思っているところに関心を持ってもらっているなと」

第2次全国被爆体験者協議会・岩永 千代子原告団長
「五里霧中・・・。うーん。でもね、やっぱりやらなくちゃね」
次回期日は12月17日です。