この数年、相次ぐ運行トラブルや運転士の確保が大きな問題となっている路面電車の熊本市電。

そんな逆風の中でも、運転士を目指す人がいます。

なぜ運転士を目指すのか。最終試験の舞台裏に迫りました。

「どうしても諦め切れなかった」

通勤・通学客や観光客など約2万7000人が毎日利用する熊本市電。その運転士を目指すのが中川太貴さん、26歳です。

中川太貴さん「もともとは子どもの頃からの夢だったので。大学や進路で一時期は諦めていたが、どうしても諦め切れないのがあって」

中川さんは幼いころから大の電車好き。大学卒業後に半導体関連の会社に就職したものの、市電の運転士になる夢を諦めきれず、2024年6月、熊本市交通局の門を叩きました。

運転士になるためには、様々な訓練が必要です。

中川さんも1年間、学科と実技試験に挑戦し、路上教習などの訓練を積んできました。

そして、9月22日に迎えたのが「見極め検定」。運転士として独り立ちできるのか、最終判断が下される大事な試験の日です。

中川太貴さん「緊張するけど、今までやってきた分を出し切れば」

訓練の成果を発揮できるか。中川さん、いざ本番です。