愛媛県松山市の温泉施設が導入した「薪ボイラー」。環境に配慮しながら大幅なコスト削減を実現し、施設の人気にもつながっています。
松山市中野町にある「南道後温泉ていれぎの湯」。

源泉は地下1200メートルから自噴しているといい、鉄分を多く含む黄金色の湯は「金泉(きんせん)」とも呼ばれます。

36度の源泉の温度管理に使用しているのが、屋外に設置された6台のボイラーです。以前は重油式でしたが2022年に約1億円を投じ、薪ボイラーに更新しました。

これにより、年間2万リットルも消費していたという重油の使用量はゼロに。年間2000万円以上のコストカットにもつながったといいます。
さらに燃料の薪は二酸化炭素を吸収して成長した樹木。燃やしても新たに二酸化炭素を増やさない「バイオマス」です。

燃料となる薪は、愛媛県内の各地から集めています。松山市内の解体業者からは建築廃材を、林業の盛んな久万高原町の生産者からは山の健康を保つため切り出したスギやヒノキの間伐材を、また、松野町の森林整備会社から薪を、それぞれ取り寄せています。年間使用量は、約1400トンに上るといいます。