2018年の富山市の奥田交番襲撃事件で亡くなった警備員の妻が、富山県警を相手取り起こした民事裁判の判決が下されました。富山地裁は県警の初動対応に問題があったとする原告側の訴えを棄却しました。事件の真相解明と今後の対策を求めて裁判に臨んだ遺族は、判決を受けてもなお「思いは届いていない」と語ります。
殺害された中村さんの妻
「拳銃が発砲されたと通報があったのに、対応が遅かった」
原告の中村さんは判決について「ある程度予想はしていたというものの、やはり少しは期待していたので残念でなりません」と心境を語りました。


この事件は2018年、富山市の奥田交番で発生しました。犯人が警察官を刺殺して拳銃を奪い、その後逃走する過程で中村さんの夫が射殺されました。裁判では県警の通信指令室の対応と現場の警察官の行動が争点となりました。

中村さんは事件を振り返る中で「奥田小学校の校番の前に警察官が1人もいないという違和感を感じた」と当時の状況に疑問を呈しました。
代理人の清水勉弁護士は「通信司令室の対応に問題があったことを問題にしたかった」と説明します。しかし、「通信司令室の受理と司令を担当した警察官の証人尋問を裁判長は認めなかった」として、裁判所が通信指令室の過失を認定する意思がないことを感じたと語りました。
