◆司法の判断が長期化している理由について専門家は…「危険運転致死罪で起訴するつもりなのでは」

シティ総合法律事務所 中村浩士弁護士

今回の事故について、男性に対する在宅捜査は、1年経ったいまも続いています。長期化している理由について、元検事で、シティ総合法律事務所の中村浩士弁護士はこう話します。

中村浩士弁護士:検察は、危険運転致死罪で起訴するつもりなのではないかと思います。おそらく補充捜査中なのではないかと思います。

一方で、危険運転致死罪適用の壁は、「居眠りだった」という供述が出ていることです。

「居眠り」がアルコールの影響だったと立証する必要があり、飲酒の量、運転態様、現場に至る経緯、事故現場までの異常を立証できるかどうかだと思います。

事故直後のようす(2024年9月 北海道小樽市 視聴者提供)
事故の衝撃で横転した友規さんの車(2024年9月 北海道小樽市 視聴者提供)

事故を起こす前までに、アルコールの影響による危険運転が続いていたことが、どこまで立証できるかが重要なのではないかと思います。防犯カメラなどで、それまでの走行対応でふらつくなど、飲酒の影響よる「居眠り」があったことを立証できれば、危険運転の裏付けになります。

また、「居眠り」というのはあくまでも運転していた男性の供述なので、ふらつきや異常な運転をしていた事実が積み重ねられて、過失の「居眠り」では説明がつかない、例えば判断能力が低下しているなど、危険運転の事実を立証できれば、危険運転致死罪に問えると思います。

在宅捜査が続いている男性(2024年9月 北海道小樽市)

危険運転で起訴できると思いますし、すべきだと思います。11時間以上酒を飲んでいて、それまで通常の運転をしていたのに、突然あの場で「居眠り」をしてしまった、ということはないだろうと思います。