トランプ政権は左派へ圧力強化 企業からの解雇・停職も相次ぐ
しかし、トランプ氏は事件直後から容疑者を「左派」と決めつけ、攻撃的な主張を繰り返してきた。

トランプ大統領
「暴力の大部分は左派によるものだ。司法省は組織的に資金援助し、政治的暴力を実行する過激な左派のネットワークを調べている」
左派への圧力強化の一環として、反ファシズムを掲げる「アンティファ」を「国内テロ組織」に指定する大統領令に署名した。
しかし、「アンティファ」は明確な組織やリーダーを持たない運動とされ、アメリカメディアは「具体的にどんな組織や個人が対象になるかなどは不明だ」と伝えている。
企業から解雇される人も出始めている。

バンス副大統領
「チャーリーの殺害を祝う人を見たら非難し、雇用主に連絡を」
バンス副大統領らの呼びかけもあり、SNS上でチャーリー氏の言動に批判的な人たちの勤務先を見つけ出そうとする動きが拡大。大学教員、政治評論家などが相次いで解雇または停職処分を受けた。
元ワシントン・ポスト コラムニスト カレン・アティア氏
「11年間も働いてきましたが、事前に相談も何もなく解雇されてしまったので、すごく辛いです」

アメリカを代表する有力紙「ワシントン・ポスト」のコラムニスト、カレン・アティア氏が報道特集の取材に応じた。
人種差別などをテーマに記事を執筆し、全米黒人ジャーナリスト最優秀賞を受賞。ワシントン・ポストでは黒人記者の退職が続いていて、在籍する最後の黒人コラムニストだった。
解雇の理由は、アティア氏がSNSに「暴力を煽った白人男性に対して、大げさな哀悼を示さないことは暴力ではない」と投稿したことだった。
アティア氏は「カーク氏のことを言ったつもりはない」というが、弁解の余地すら与えられないまま職場を去ることになった。
解雇通知書に記された言葉にも大きなショックを受けたという。

ワシントン・ポスト解雇通知書
「組織の信頼性を損ない、更に当社スタッフの身体的安全を脅かすものです」
元ワシントン・ポスト コラムニスト カレン・アティア氏
「ワシントン・ポストは一体どうなってしまったのでしょうか。私の知っているメディアではなくなってしまいました。
解雇通知はジャーナリストにとって悪い前例になると思います。白人について批判するなという意味が込められているのです」
山本恵里伽キャスター
「今の極端なアメリカの状況を、どう受け止めていますか」

元ワシントン・ポスト コラムニスト カレン・アティア氏
「報道の自由に対する攻撃は、第1次トランプ政権になってから始まり、この数年間強まっていく雰囲気がありました。
そして今、私たちが直面しているのは、大きな恐怖を感じたメディアがトランプ政権に迎合することです。政権が批判的なメディアを黙らせようとする困難な状況だからこそ、真実を語ることが、かつてないほど重要なのです」