“手術後に適切な処置がされず愛犬が死んだ”。飼い主が動物病院の院長を提訴です。

走り回って愛らしい姿を見せるのは、ポメラニアンとトイプードルのミックス犬「るく」(メス)。大阪府内で暮らす5人家族の愛犬で、かけがえのない存在でした。

飼い主の男性(26日午後の記者会見)
「やんちゃで、元気で、明るくて。家にも笑顔を与えてくれた」

しかし今年5月、楽しかった家族の日常は突然奪われます。「るく」は膝を脱臼するケガをして滋賀県内の動物病院で手術を受けましたが、その後、衰弱して死んでしまったのです。

飼い主の男性
「悔やんでも悔やみきれず、私たち家族はいまでも苦しみから抜け出せておりません」

一体何があったのか?訴状などによりますと、「るく」が手術を受けたのは5月12日。その3日後の5月15日、家族が病院に迎えに行くと「るく」は衰弱した様子でしたが、院長は「ホームシックだろうから、自宅に戻ったら元気になる」と話したといいます。

けれども体調は良くならず、5月17日に別の動物病院で検査をしたところ、感染症による敗血症などの疑いで、18日にさらに別の病院で緊急手術を実施。

しかしその後、「るく」は息を引き取りました。

飼い主らによりますと、「るく」は最初の退院前の血液検査で異常を示す数値が出ていたものの、「問題ない」としてエコー検査などはされず、そのまま退院したといいます。

飼い主家族は「るく」が死んだのは、適切な対応をとらなかったことが原因だとして、最初の手術を実施した滋賀県内の動物病院の院長に対し、家族5人1人あたり120万円の慰謝料や、他の病院でかかった治療費など、計770万円あまりの賠償を求めて、26日に大阪地裁に提訴しました。

飼い主の男性
「我が家の大切な家族を失い、家族までボロボロにされてしまいました」
「絶対に許すことはできません」
「(ペットも)家族の一員と思ってくれる判決を望んでいる」

動物病院側は取材に、「院長不在のためコメントできない」としています。