持家と賃貸、大差はあれど似た傾向

住まいの満足・不満足には、それが持家か借家かということで大きな差が生まれます。データがそれを示しています。

先に示した折れ線グラフを、住まいが借家か持家かで回答者を分けて、集計し直したのが次のグラフです。ここでは、借家の人が実線、持家の人が破線となっています(注4)。

同じ色の線を比べると、この46年分のデータでは、不満派は借家住まいに多く、満足派は持家住まいの人に多いということで一貫。その差はそれぞれ20〜30ポイントくらいあって、結構な開きです。

その一方で、満足や不満の増減傾向は、持家・借家とも一致。80年代前半には借家住まいに7割、持家住まいに4割いた不満派が、直近では前者が4割、後者が2割程度まで減少。逆に、90年代終わり頃まで、持家住まいで4割、借家住まいで2割だった満足派が、現在では前者で5割強、後者で3割強まで増加しています。

相続で継いだ実家が持家の人もいるでしょうが、やり繰りやローンを頑張って夢のマイホームを手に入れたも多いはず。その「手に入れた」という気持ち・経験が、持家住まいの人に満足感を生むのはさもありなん。

一方、その裏返しの「持家を手に入れていない」という気持ちが、どれくらい借家住まいの不満を生んでいるのかは何ともいえず。というのも、データが示す通り、借家住まいでも不満派が減少し、満足派が増加しているからで、借家が即不満というわけでもなさそうな感じ。

住まいの満足・不満足には持家か借家かも関係しますが、その他に、「住まいの好み・嗜好」の変化も影響を強めている気がします。