閉幕前の“駆け込み” で大混雑 「7月と比べ物にならない」

藤森祥平キャスター:
9月の万博の来場者数が10日から連日20万人を超えていて、入場するのが難しくなっています。

地域エコノミスト 藻谷浩介さん:
私は行かないといけないと思って、9月の最初の頃に駆け込みで行きました。大変混んでいました。
万博に行くお客さんは確実に多いだろうと予測していましたが、私は敷地内の広さと入場者数の見込みが合っていないと感じました。入ったっきりずっといられたら絶対に混雑する。最初から朝だけの入場券とかそういうものも売って、時間を区切って分散を図るべきだったと思います。

トラウデン直美さん:
私は仕事を含めて4回ほど行っています。この間の日曜日にも行ったんですけど、7月に行った時と比べ物にならないぐらいたくさんの人がいました。
過ごしやすい気候になってきたのは当然あると思いますが、あまりの混雑さでせっかく来たのにパビリオンを一つしか見れない状況もあるだろうと思うと、たくさん交流ができる場がもったいないなと思いますね。
ただ、万博のパビリオンで働いている知り合いの方に話を伺ったら、世界中に友達ができたとお話をされていたので、国際的な繋がりを作る良い場だと思います。
藤森キャスター:
価値の大きさは感じますが、一方で現場は大変だったようですね。
小川彩佳キャスター:
パビリオンは素晴らしかったですけれども、私も猛暑の中で訪れたので大変でした。屋根や日陰が少なく、抽選や予約に当たらなければ炎天下の中、長蛇の列に並ばなければなりませんでした。
万博は地球規模の課題解決をうたうイベントでもありますから、その最たるものである気候変動を解決する意図が全面に押し出されていたら、より有意義なイベントになったのではないかと思います。
万博閉幕後に残るもの 閉幕後も運営面の課題などは引き続き検証を

藤森キャスター:
万博閉幕後には、大屋根リングの北東部分約200mの部分とその周辺を大阪市が公園や緑地として管理する案で合意しているということで、数十億円規模が見込まれています。ミャクミャクのモニュメント2体も吹田・万博記念公園に移設される方針です。
トラウデン直美さん:
日本館やドイツ館、その他たくさんのパビリオンで“循環”がテーマになっていましたので、この万博のいろいろな建物や使われたもの自体も循環させないともったいない。テーマとして扱っているからには、この後どう再利用されて、その過程にCO2はどのくらい出たのかといったことも透明化して、どう循環させていったかもぜひ示してほしいと思います。
地域エコノミスト 藻谷浩介さん:
パビリオンに入れなくても、大屋根リングを散歩道にするのが良かったという人も多いと思います。私もそうでした。秋は虫が鳴いていて、トンボが飛んでいて、巨大な草原のようでした。
本当は一周をジョギングの散歩コースとして残してほしいと多くの人が思っているし、何かホールを建てて維持することを考えるならば何十年で何十億円というのは実は大したお金ではないと思います。カジノの予算を削ってでも残して欲しいです。万博では自然の回復力のすごさを学んだので、大屋根リングはそういう意味で価値があると思います。
藤森キャスター:
運営面の課題や、当初から膨れ上がった建設費などの負担の情報公開や検証は引き続き必要だと思います。

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<プロフィール>
藻谷浩介さん
地域エコノミスト 共著「東京脱出論」
(株)日本総研主席研究員
トラウデン直美さん
Forbes JAPAN「世界を変える30歳未満」受賞
趣味は乗馬・園芸・旅行