アメリカのトランプ大統領は2期目で初めてとなる国連での演説を行い、「国連はやるべきことをしていない」と強く批判しました。

アメリカ トランプ大統領
「和平の仲介などを国連ではなく私がやらねばならなかったのは残念だ。悲しいことに、どのケースでも国連は支援すら試みなかった」

トランプ大統領は日本時間の23日午後11時すぎから国連での演説を行いました。

その中では、自らが大統領就任から8か月の間でインドとパキスタンの紛争など、世界の7つの紛争を和平に導いたと主張。「国連がやるべきことを私がやらねばならなかったのは残念だ。どのケースでも国連は支援すら試みなかった」と述べ、国連を強く批判しました。

また、「国連には途方もない可能性が秘められているが、その可能性の大半はまったく発揮されていない」とも主張しています。

さらに、移民政策をめぐって、国連が不法移民を支援しているなどとも主張したうえで、ヨーロッパ諸国が移民により問題に直面しているとの認識を強調。「開かれた国境という失敗した実験に終止符を打つ時だ」と述べました。

一方、イギリスやフランスなどがパレスチナを国家として承認すると表明したことについて、“イスラム組織「ハマス」によるテロ行為への大きな報償になっている”と批判しました。

ウクライナ情勢をめぐっては、中国とインドについて、ロシアから石油などを購入することでロシアによるウクライナ侵攻を経済的に支えていると批判。

ヨーロッパの国に対してもロシアからの石油購入を直ちに停止するよう求めました。

また、気候変動問題について「世界が経験した過去最大級の詐欺だ」と持論を展開し、「地球温暖化も地球寒冷化も、もう終わりだ」と話しています。

このほか、他国との貿易をめぐって「アメリカは搾取されてきた」との見解を改めて示し、関税政策について「防衛手段として用いてきた」と強調しました。