成人式の日に撮った写真が最後に… 「笑顔で可愛い娘を返して」

大阪地裁堺支部

 1審の公判では、亡くなった被害女性の母親も意見陳述を行いました。  

 被害女性の母親
 「大切に育ててきた娘の命、未来を、奪われた無念を伝えたくて、この場で証言します」  
 「娘が抱いた夢は、放射線技師になることです。人の命を助けたいと、中学生のころから目指していました」  
 「成人式の日のことです。自宅の庭で、『記念にママと一緒に撮りたい』と言って、写真を撮ってくれました。これが最後の写真となりました」  
 
 「安置所で布をめくって遺体を確認するよう言われましたが、刑事さんに布を取ってもらいました。やつれた顔をなで、優しく抱きしめることしかできませんでした」  
 「体中にある刺し傷を見ました。胸には何か所も大きな刺し傷がありました。大きな穴のようでした。“殺意の痕” だらけでした」
 
 「娘はあの日からずっと、『どうして私が殺されたの?』と言っていると思います。明日が来ることに疑いもなく、夢に向かって邁進していたと思います」  
 「私の願いはただひとつ、笑顔で可愛い娘を返してほしいです」