美しく妖しいヒガンバナとクロアゲハ

ー赤いヒガンバナにクロアゲハが美しい画像ですね。
(大野さん)
「真っ赤なヒガンバナには黒いチョウがよく似合います。写真に写っているのはクロアゲハ。アゲハチョウの仲間では大型で目立つ存在で、黒い翅が赤い花によく映えます。私は近縁種のカラスアゲハも好きで、『カラスの濡れ羽色』といわれるように、光の角度で青や緑に輝く翅はまさに宝石のよう。
クロアゲハやカラスアゲハの幼虫は柑橘類の葉を食べるため、庭のミカンの木では『害虫』とされることもありますが、彼らが成虫になって花の蜜を吸い、次の世代へ命をつなぐ姿にはどこか応援したくなる魅力があります。
チョウは長生きすると翅が欠けたり破れたりしてきますが、それは鳥などに襲われながらも生き延びた証拠。羽がボロボロのチョウを見かけたら、そっと見守ってあげてください。
ちなみに、アゲハチョウは岡山にも縁深い昆虫です。江戸時代にこの地を治めていた池田家の家紋『備前蝶』はアゲハチョウをかたどったもの。昔から人々に愛される存在だったことがわかります」















