RSK山陽放送にヒガンバナとクロアゲハの画像が届きました。カメラマンの青江隆晴さんが22日、岡山市北区の半田山植物園で撮影したものです。

生物に詳しい東洋産業の大野竜徳さんに聞きました。

ーヒガンバナは、ちょうど彼岸の頃に咲きますね。

(東洋産業 大野竜徳さん)
「綺麗な花ですが、私は祖母に『縁起が悪い花だし毒のある花なので、摘まないように、仏様に供えないように』といわれていました。お彼岸の時期に、田舎の畔やお墓で真っ赤に咲く花をよく見た記憶があります。

摘むと白い汁が出て、「これが毒なのかな」と思っていました。彼岸花は中国からやってきた外来種で、日本にあるものはすべてクローン。つまり、種ではなく球根でしか増えないので、あたり一面に自然に広がることはなく、群れで揃って咲くのが特徴です。

しかも、開花時期や花の大きさ、色合いまでほぼ同じ。これは植物としてはかなり珍しい現象で、『彼岸のころに必ず咲く花』として昔から人々に覚えられてきました。

生物に備わる時計遺伝子が、クローンだときちんと合うようにできているので、環境要因には左右されても、一気に開花、という動きをする、というのがヒガンバナの特徴です。

枯れた花とつぼみ状態が混在しないので、一斉に一面バッと綺麗な姿を見せてくれますね」

「ところで、ヒガンバナ、というと大体の方が思い浮かぶ花があると思いますが、ヒガンバナの葉っぱは?というと、祖母が私に伝えてくれたように、ヒガンバナは毒草で、球根にはリコリンというアルカロイド系の毒が含まれています。

誤って食べると嘔吐やけいれんを起こす危険がありますが、昔の人は球根を刻んで何度も水にさらして毒を抜いて、澱粉を取り出して非常食として食べたとも言われています。

ちなみに英語名は『リコリス(Lycoris)』ですが、同じ『リコリス』と呼ばれる甘草(カンゾウ)は別物。こちらは漢方薬やお菓子の甘味料、変わったところだとタバコの巻紙など、ほんのり甘みのある、食べたり口に付けたりする成分を含む植物です」