リニア工事が環境に与える影響を検討する静岡県の連絡会議の全体会が11月30日、2年ぶりに開かれました。県は、JR東海が求める県境を越えるボーリング調査について、認めない姿勢を改めて強調しました。
2年ぶりに開かれた11月30日の会議には、各分野の専門家に加え、大井川の利水関係者、井川地区の住民代表などが出席しました。
<トンネル工学の専門家 安井成豊委員>
「確実にやろうとすると前方に長尺で、できるだけ早くボーリングで情報を得る。安全に掘るために、どう対処するか、掘りながらやらざるを得ない」
<静岡県くらし・環境部 織部康宏理事>
「調査自体を否定しているわけではなく、ボーリングを行うことで水資源に影響を与えてしまうのではないかと、一番恐れている」
意見交換では、JR東海が意欲を示している山梨県側から県境を越える高速長尺先進ボーリング調査について、トンネル工学の専門家から「調査のためにやるべきではないか」という主旨の発言がありました。
これに対し、県は「調査であっても、静岡県内の水が山梨県側に流出する懸念がある以上、水の全量戻しの方策や生態系への影響の低減策が示されない限り認められない」との認識を示しました。
JR東海の金子慎社長は「先進ボーリングの先端部は10㎝程度と小さく、中下流域に影響を与える懸念はないと思う」として、今後の専門部会で説明する意向を示しています。
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