日本人は19年連続で受賞 時が経って受賞した研究も
この「イグ・ノーベル賞」ですが、日本人は19年連続で受賞しました。なぜ日本人が多いのか、過去に受賞した研究も見ていきましょう。

▼2012年「音響学賞」
おしゃべりを長く続ける人を“邪魔する装置”「スピーチ・ジャマー」を開発
→音を機械で拾って少しだけ音を遅らせて、その音を跳ね返す仕組み
話す言葉と聞こえる言葉がずれて自分の声が聞こえてくる状況になり、脳が混乱して話しにくくなるということを、産業技術総合研究所(当時)の栗原一貴さんと、科学技術振興機構(当時)の塚田浩二さんの2人が研究しました。
▼2014年「物理学賞」
“バナナの皮”は本当に滑りやすいのかを研究・証明をした、北里大学の馬淵清資教授(当時)ら4人が受賞

▼2020年「音響学賞」
「ヘリウムガスを吸うと、ワニの唸り声も高くなる」ことを発見した、京都大学霊長類研究所の西村剛教授(当時)らが受賞
ワニは人と同じように共鳴させて声を出していることが、このヘリウムガスを使った研究によってわかりました。つまり、ワニと似ているような恐竜も同様の仕組みで声を出していたのではないかという指摘もあり、これは大きな発見に繋がっているかもしれません。
▼2022年「工学賞」
ドアノブやペットボトルキャップなどの“つまみ”を回すときの指の使い方を調査し、千葉工業大学の松崎元教授らが受賞
例えば、今「ペンを持ってみましょう」となったときに、指を何本使うかといったことを全部統計化するなど、無意識な指の使い方を統計化して調査をしたという研究です。

山内あゆキャスター:
だんだん力が弱ってきたのか、ペットボトルなどが開けづらくなってきました。どういう力加減かがわかれば、それをサポートする簡単なグッズとかの設計に生きる気がします。
日比キャスター:
松崎教授はデザインも研究をされており、こういった研究の中からデザインの方にも展開させています。
実は、この研究の一部は松崎教授が何十年も前に書いた論文の中の一つにあったそうです。それを「イグ・ノーベル賞」側が発見し、「これは面白い」ということで、時が経ってから受賞した経緯があったそうです。
では、なぜ日本人の受賞が多いのでしょうか。