3本の車道が不自然に…

まずは、いざ通ると混乱してしまうという奇妙な交差点を目指すことに。県道121号の矢合口(やわせぐち)交差点を北へ進むと、3本の車道が不自然に交わる奇妙な交差点が姿を現します。

交差した2本の道に対して中心から外れたところを幹線道路が貫くという、なんとも歪な形をしており、その独特な造りから中央に小さな三角地帯が存在しています。

(道マニア・石井良依さん)
「一見普通の交差点のようだが、道が入り乱れていて、なぜ同じところで交差していないのだろう、と。周りの地域はすべて碁盤目状になっているのに、この矢合町(やわせちょう)だけ道が入り乱れているのが奇妙」

地図で見てみると、碁盤目状に整備された周辺とは異なり、矢合町だけ道が入り乱れ奇妙な交差点が集まっているのが分かります。

(道マニア・石井良依さん)
「町内を歩いてみると、小さな三角地帯がいくつもあるし、交差点の間隔が極めて近い」

小さな集落にも関わらず、交差点に6本の道が交差した6差路の場所も。また、至るところにお地蔵様がいるのも気になります。

地元の方によると、矢合町は古くから信仰心が厚く、かつて存在した矢合城の城主・橋本大膳(はしもとだいぜん)が祀った矢合観音も残っているそう。※諸説あり

この地域では日本最古の巡礼路「西国三十三所」にならい、各所に43体のお地蔵様を祀るほど観音信仰が浸透しており、お地蔵様は生活の拠り所であったため、いつしかそこへ道が集まり、現在のような各所が入り乱れた道路網になったのでは、とのことでした。