■東京2025世界陸上競技選手権大会(18日、国立競技場)

上位8人が決勝に進出する女子5000m予選が行われ、1組で登場した山本有真(25、積水化学)が15分36秒29の組18着で予選敗退となった。

山本は2023年7月のアジア選手権では5000mで金メダルを獲得、その1か月後に行われた世界陸上ブダペストでは初出場で20位と予選敗退、2024年のパリオリンピック™では17位と世界の高い壁に阻まれた。

それでも今年の4月金栗記念ではペースメーカーを務めてくれた田中希実(25、New Balance)に引っ張ってもらい15分12秒97と2年半ぶりの自己新記録を更新した。「田中さんの後ろ姿を見て、世界を想像しながら走りました。田中さんが引っ張ってくれたから(自己新が)出たと思います」と感謝を口にした。

ブダペストのリベンジをかけた今大会、予選では自己新を出したときにペースメーカーを務めてくれた田中と同じ組。山本は世界陸上仕様の新ネイルで気合を込めて、笑顔で手を振りトラックに入ってきた。スタート前には手の甲に書き込んだ言葉を読み込んだ。

この組には今大会10000mの金メダリスト、世界記録保持者のB.チェベト(25、ケニア)、銀メダルのN.バットクレッティ(25、イタリア)と強豪がそろった。

アウトレーンスタートの山本は田中が前に行くとすぐについていき先頭に立った。日本勢2人がレースを引っ張った。積極的に仕掛けた山本は1000m、自己ベストを上回るタイムで通過。田中もすぐ後ろについていった。

山本は2000mでややペースを落とし、揺さぶりをかけていった。田中、チェベト、バットクレッティはしっかりとついてきた。苦しい表情を見せていた山本、2500m付近で田中が一気にペースアップすると、山本はついていけずに順位を落としてしまった。

前半から積極的なレースを見せた山本だったが、この組18着。ブダペストのリベンジを果たすことは出来なかった。ゴール後は5位で決勝進出を果たした田中と抱き合い健闘を称えると、山本は号泣した。