9月13日に開幕した東京2025世界陸上。男子110mH代表の村竹ラシッド(23、JAL)は、15日に行われた予選を組2着の13秒22で突破。16日に準決勝と決勝に挑む。
8月に12秒92をマークし、日本新記録を樹立した村竹。今季世界2位となる大記録を叩き出すなど、この種目で日本勢初のメダルに期待がかかる。開幕を前に、本番の舞台となる国立競技場で、大会スペシャルアンバサダーを務める織田裕二さんが、意気込みを聞いた。

織田裕二さん:110mハードルで日本選手が、これだけメダルに近づいたのは実は初めてなんですけど、いかがですか。

村竹ラシッド選手:もちろんそこを目指して、今までずっと練習してきたわけなので。まだ1回しか12秒台を出してないので、そこはそんなに気にせず、いつも通りの準備をすれば、自ずと出るって信じてます。

織田さん:実際に12秒台を出してみて、体が何か感じることはあります?

村竹:具体的な話をすると、今まで走ってきたレースと比べると、5台目、6台目あたりからの加速感がもう今までと全く違って。

織田さん:それは思った通りのイメージができて、その通り飛べたという感じ?

村竹:そうですね、やりたいことができるみたいな感じですし、本当に感覚的な話なんですけど、自分のレーンだけなんか追い風がすごい吹いてるみたいな、そんな感覚。

織田さん:これはいわゆるゾーンってやつですか?

村竹:かもしれないです(笑)

織田さん:毎回吹いてほしい。でも、風が吹くと参考記録になっちゃうんですけど、12秒台出したときは参考記録じゃないですよね。(東京と福井は)同じ条件に近い?

村竹:今の方が、なんなら競技はしやすいんじゃないかなと・・・

織田さん:おっと!?出ましたよ(笑)

村竹:でもちょっと僕国立と相性悪くて・・・

織田さん:え、本当に?そうなの?

村竹:あんまり良いタイムが出たっていう経験がないんで、それを自分の中でも覆せたらなって。

織田さん:それはタイムを気にするの?着順を気にするの?タイムが出てれば、例えばもし着順で準決決勝に行けなくても、納得できる?

村竹:いや、今回はやっぱり着順じゃないですかね。メダルを取りに来てるんで。

織田さん:さらっと「メダルを取りに来てるんで」って言いましたけど、メダルを取った日本人はおりませんので、初になります。期待してます。

村竹:頑張ります(笑)

織田さん:いや、そんなに頑張らなくていいんだけどね(笑)普段通り走るのが一番いいと思ってて、それが難しいのかなって。

村竹:難しいことではありますけど・・・

織田さん:まだ23歳。経験としてもそんなにいっぱい積んだわけじゃないし、世界陸上はこれで2回目(2022年オレゴンが1回目)だよね。(ブダペストはケガの影響で代表選考漏れとなったが)そのときの悔しさとかどうですか。

村竹:いつでも自分を強くしてくれる経験ってやっぱり悔しさから来るものなので、そのときのリベンジも兼ねて。