企業の依頼殺到「コンセプト壁画」

起業して9年、企業からの壁画依頼は100社以上にのぼります。

有名な作品は、「エスコンフィールドHOKKAIDO」(北海道・北広島市)に描かれたダルビッシュ選手と大谷選手の壁画。

また、東京・大手町のビルでは、銀行のATMがあったスペースに「みずほグループ」の企業理念<ともに挑む。ともに実る。>を壁画で表現。
性別も国籍もわからない人の顔を真ん中に描き、そこに風を巻き起こしていくデザインです。

『みずほフィナンシャルグループ』櫛渕莉絵さん:
「アートを通じて社員全員に企業理念を考え直して表現してもらうことが、面白い取り組みだと共感が持てた」

『OVER ALLs』代表取締役/コンセプター・赤澤岳人さん:
「絵を描いて企業の業績が上がるかと言われても分からない。だけどWOWと感動するものの塊がアートだと思った時に、壁画アートをやり続ける意味があると思った」

人気とともに「新たな悩み」

クライアントとの交渉が、社長の赤澤さんが担う大事な仕事。
しかし、新規案件のプレゼンでは、少々苦戦することも。

10月、高輪ゲートウェイシティに開設される新施設「LX-Hub」の壁画デザインの打合せでは…

『DBIC』共同代表/副理事長・西野弘さん:
「この絵に合うような体験をしに来たっていう基本のコンセプトが感じられる絵が欲しい。また、それは相談しましょう」

クライアントの要望は、具体的なものから抽象的なものまで様々-

だからこそ、提案した絵を前にして話すと色々な意見が出てきて「逆に言うと、そのために絵を見せている」と話す赤澤さん。

新たな依頼が増える一方で、悩みもあるといいます。

『OVER ALLs』代表取締役/コンセプター・赤澤岳人さん:
「引き受けられる案件の数は減ってきてる。大型のプロジェクトが多いので。世界陸上も1か月以上の作業、5か所で制作するから」

そう、世界陸上の壁画アートは赤坂だけでなく、他の場所でも違うデザインの作品を展示。

▼原宿・竹下通り入口「アシックス フラッグシップ原宿」
▼銀座8丁目「アシックス東京銀座」
▼銀座4丁目「セイコーハウス」
▼青山1丁目「ホンダ ウエルカムプラザ青山(休館中)

大会期間中しか見られない、大迫力の作品の数々が東京をアツくしています。

(THE TIME,2025年9月11日放送より)