100社以上の企業から制作の依頼があり、展覧会では120万円の原画に買い手がつく。今話題の壁画アート集団「OVER ALLs」とは?
あらゆる企業が注目「壁画アート」

8月、東京・赤坂サカス(港区)に登場した巨大な壁画アート。
約40時間かけて、縦3m×横8mのキャンバスに「東京2025 世界陸上」(9月13日開幕)で活躍が期待される7人のアスリートが描かれました。

「裏の絵も気に入っている」と話すのは大会スペシャルアンバサダーの織田裕二さん。裏には、大会を裏側で支える番組スタッフ達が描かれています。

織田裕二さん:
「涙出そうになりました、これ見た瞬間。スタッフにとっても戦いなので」
手掛けたのは、創業から9年で約300作品を制作し、あらゆる企業から引く手あまたの壁画アート集団『OVER ALLs』。

8月からは展覧会も開催され、日本ハムファイターズの現役10選手の肖像画を展示。原画は1点120万円(税込・送料別)で販売され、すでに売約済みの作品もあるといいます。(※「OVER ALLs展」:エスコンフィールドHOKKAIDOにて9月30日まで開催)

絵のコンセプトを考えるのは、営業マン出身の社長、赤澤岳人さん(43)。

実際に描くのは画家で副社長の山本勇気さん(45)で、制限時間内に作品を仕上げる「ART BATTLE JAPAN 2018」でも日本一になった実力者です。

SNSで大バズり「人物壁画」
先日SNSで話題となったのは、備蓄米の問題で連日ニュースとなっていた小泉進次郎農水相の似顔絵。

その壁画が描かれているのは、東京・外苑前交差点に面した『OVER ALLs』本社ビルの外壁で、1年ほど前から、ニュースになった著名人を毎月のように壁画アートにしているのだといいます。

副社長/画家・山本勇気さん:
「街中に外に向けて見られながら描く自分のキャンバスが常にある。そういう環境って非常に絵描きとしては健全。常にスイッチが入ってる状態」
代表取締役/コンセプター・赤澤岳人さん:
「街行く人が結構期待してくれてる。それが嬉しい」
取材当日、急きょ新しい壁画を描くことが決定。その一部始終を見ることができました。
前の作品をペンキで消し、下書きも無しで山本さんが一気に描き上げていきます。
約3時間で完成したのは、大谷翔平選手の壁画。
749日ぶりに勝利投手となり、抑えきれない感情を滲ませ空を仰ぐ横顔が大きく描かれています。

山本さん:
「難しかった。あまり見たことがない大谷選手の顔を描くので上手く描けているか最後まで分かってなかった」