札幌市南区のゴルフ場でクマが出没し、必要な許可を得ていないハンターが猟銃で駆除していたことがわかりました。
クマが駆除されたのは、札幌市南区のゴルフ場「滝のカントリークラブ」です。
馬場佑里香 記者
「突然4、5m先にクマが姿を現し、発砲したということです」
このゴルフ場では、先月からクマの目撃が相次いでいて、4日にもクマが出没。ゴルフ場側は、コース内にいた220人ほどを避難させたうえで、クマが出た原因を調べるため、契約していた男性ハンターにクマの痕跡を探すなどのパトロールを依頼しました。
ハンターが1人で巡回していたところ、1、2mほどのオスのクマが突然現れたため、猟銃を5発撃ったということです。
飛田寛大 支配人
「探索していた際にご自身の4、5m前にクマが頭を出したと。その際に自分の方に足を踏み出してきたので、致し方なく発砲したと聞いている」
このハンターは、鳥獣保護管理法に基づくシカを駆除する許可はあったものの、クマを駆除する許可は得ていませんでした。
狩猟免許を持つ中村憲昭弁護士は、今回のハンターの行動は、銃刀法にも違反する可能性があるといいます。
中村憲昭 弁護士
「(シカとクマの猟は)全然違う。大きく違うのは、シカの場合逃げるだけ。クマの場合は攻撃してくる」「銃の所持の許可を持っているからと言って、目的なくその銃を持ち歩いてはいけない」
中村弁護士はこのように話し、「シカの有害駆除の許可しかないとすれば、ヒグマの見回りで猟銃を持つこと自体が目的外所持と認定される可能性がある」と指摘しています。
また、危険を避けるために、やむを得ずに発砲する「緊急避難」に該当するかについては、「立証のハードルがかなり高い」とみています。
警察が当時の状況を詳しく調べています。