1993年、鹿児島市などを襲った、8・6豪雨災害。池田さんの店にも水が押し寄せました。

(池田さん)「この辺まで水がきて、座敷も畳もみんな濡れて。もうこれで人生終ったと」

常連客の森山恵子さん(73)です。
「(当時、店を失い)落ち込んでいて、かわいそうだった。それが私の第一印象。あなたの夢は何と聞いたら『もう一度寿司屋がしたい』と。もう一度、旗を掲げて頑張って、私も協力するからと」

店を失った池田さんに鹿児島市の自宅の1階を提供しました。

(池田さん)「神様。ありがたいの一言。それからまた(やる気が)芽生えた」

まわりの支えをもらい、寿司店を続けた池田さんは、60歳のころ桜島に店を移します。観光客でにぎわいましたが、新型コロナで再び岐路に立たされます。

(池田さん)「観光のお客さんが来なくなった。魚を15種類くらい揃えるのに魚代に追われて。寿司をやめてラーメンを作ろうと」