11年ぶりにJ2復帰を果たしたカターレ富山が、J3降格の危機に瀕しています。クラブ史上最高の収益を達成しながらも、J3降格圏に沈むカターレの経営状況を第1回の記事でお伝えしました。では、その経済力をなぜチームの強さに変えられないのか。左伴社長が分析する低迷の具体的な理由と、シーズン途中の監督交代や主力移籍に揺れたチームの現状、そして選手、監督、サポーターの苦しい胸の内に迫ります。(第2回/全3回)

※(第1回)クラブ史上最高の収益でも順位は「J3降格圏」

島津有希アナウンサー
「もっと上位にいてもおかしくない経済力。J3降格圏に低迷した理由は?」
カターレ富山 左伴繁雄社長
「低迷の主な要因は2つあると考えています。一番の要因は、シーズン途中でサッカーを攻撃型にモデルチェンジしましたが、アジャストまでに予想以上に時間がかかってしまっていることです。そして、これまで築いてきた強度を保ちながら攻撃を上乗せする目論見に対して、逆に強度が落ちてしまっていることです」

カターレは昨シーズン、プレーオフを経て2024年12月7日に11年ぶりのJ2復帰を決めました。

しかし、プレーオフの影響で約3か月後にはJ2が開幕。短期間での準備を強いられることになりました。

チームは小田切道治監督の続投と14人の新加入メンバーを迎えJ2に挑みましたが、なかなか勝利を掴めず黒星が先行。

クラブはシーズン途中の5月に監督交代に踏み切りました。

小田切道治氏から、J1の横浜F・マリノスでアシスタントコーチを務めていた安達亮氏が指揮を執ることになりました。ここまで得点力が課題だったカターレにとって攻撃的なサッカーを展開する指導が持ち味の安達監督ですが、構想していた戦力が次々と移籍する事態が発生します。