熊本の最低賃金が1034円に引き上げられる見込みです。賃上げ後の全国平均は1121円で、最も高いのは東京で1226円。最も低いのは高知・宮崎・沖縄の1023円です。

熊本は全国平均より低いものの、引き上げ幅は82円と全国最大です。「時給1034円」を街の人はどう捉えているのでしょうか?

嬉しい声の一方で懸念も…

10代・大学生「ニュースを新聞で見ました。塾でバイトをしていて、高校生を教えるときは1000円超え、待機しているときは1000円を下回る。うれしいと素直に思います」

10代・大学生「やっぱり1000円台は結構でかい。時給が1000円台になると、今まで時給950円で『微妙』と思ったバイトも『じゃあやるか』となる」

一方、こちらの親子はアルバイトをする娘の年収には、懸念があるようで。

50代・母親「確定申告するときに困るので、年間で超えないように。できるだけ100万円を目安に」

所得税が発生するいわゆる“103万円の壁”です。時給が上がった分、所得税が発生する年収103万円に到達するのが早くなります。

20代・大学生「ギリギリを攻めてバイトしてます。年収制限を上げてほしいです」
50代・母親「扶養の上限も上がらないと厳しいと思う。時給だけ上がっても働けないなら意味ないですもんね」

雇用する側は?

雇用する側の声も聞きました。

熊本市内のアパレル店は「103万円の壁の問題は解決しておらず、働き控えにつながる懸念がある」と話していました。

また地方経済総合研究所の林田祐子さんは「中小企業にとっては賃上げを継続できる生産性向上の取り組みが不可欠。そのためには行政による生産性向上の支援や価格転嫁に対する支援などを早期に展開する必要がある」と話していました。