中学・高校を舞台に、各分野のスペシャリストが子どもたちと本音で対話する「ひるおび 出前授業」。今回のテーマは、『STOP!地球温暖化』。【前編】で“温暖化の真実”を知った高校生たちが、具体的なアクションについて考えます。
〈2〉どう伝え、どうつながる?
■グレタさんの発言から3年 世界に広がる若者の活動

環境活動家 グレタ・トゥンベリさん(2019年ニューヨーク)
「私たちは大量絶滅の始まりにいるのです。それなのにあなた方が話すのはお金や経済成長が永遠に続くというおとぎ話ばかり。よくそんなことが言えますね!」
2019年、環境活動家で当時16歳のグレタ・トゥンベリさんが世界に訴えた危機。あれから3年、触発された若者の活動が今世界中に広がっています。その波は日本の若者にも。

「岸田首相の手に私達の命がかかっています!」
「私たちの未来を守る選択をお願いします!」
「私たちの声を聞いてください!若者の声を聞いてください!」
高校生にはどう映っているのでしょうか?

高校1年生:
よく考えたら、私達は怒らなきゃいけない世代だと思って。私達よりも上の世代の人たちが勝手に決めたことで、私達の未来が脅かされるのに、怒らない方がおかしいんだなって。
高校2年生:
私が思ったのは、声を上げているけど、発言権が大きい大人たちに届いてないんじゃないかなって。一番反省するべき人たちに伝わるようにすることが大切だと思いました。
高校2年生:
若い世代の人たちが、自分の意見を自信を持って発信できるような環境を大人たちにぜひ作っていただきたい。
若者の代表として温暖化対策の必要性を訴えるグラディスさんはー

祖父母の島が海没した経験を持つ グラディス・ハブさん:
皆さんは正しい。グレタさんができたなら、私達にもできます。グレタさんは若者の新しい世界を作り上げましたし、素晴らしい理念に向けた取り組みを行っています。特に気候変動という点では、これまでの世代では見られなかったことです。
東京大学 江守正多教授:
よくグレタさんが「家が火事だと思ってください」という言い方をします。燃えてるよって言ってもみんなが知らんぷりして楽しそうにお喋りしてたら、もう、どんな手を使ってでもみんなに気づいてほしいって。過激な行動とか、グレタさんの怒りとか、そういうところにあるんじゃないかなと。
■世界を動かすこと “伝えること”の難しさ

伝えていく一つの手段として、ストライキという方法をとったのがグレタさんです。気候のための学校ストライキ、『未来のための金曜日(Fridays For Future)』として金曜日に学校を休むという取り組みをしました。これが世界中に広まっています。150か国以上の約400万人が行動を起こし、ニューヨークでは休学を認めたという例もあります。
恵俊彰:
先ほど、いつきさんは経済産業省の前で、プラカードを持って立ってますって言ってましたが、きっかけは何だったんですか?
いつきさん(高1):
私は小学校高学年のときに、リオの環境サミットで12歳でスピーチをしたセヴァンさんの映像を見ました。「直し方がわからないものを壊すのはもうやめてほしい」と訴えていて、それを見て本当に危機的状況にあるんだなっていうことを認識して、活動を始めました。
あゆさん(高2):
実際に私達はこれから生きていく。今の大人たちが作り上げた世界でこれからも生きていかなきゃいけないので、この地球や世界を担うということに対して、自分たちの思ってることは主張していかなきゃいけないと思いました。