「年間で虐待20万件」立ち上がったのは “駄菓子おじさん”

(廊下を雑巾がけしている子どもと渡邊さん)
「端から端でしょ。がんばれ」【画像⑩】
リンクスには、住み込みの2人を含む7人のスタッフがいて、現在は、9歳の女の子のほか、3歳と6歳の男の子を育てています。
(男の子(3))「あっきん~」
(秋山秀行さん)「ほらきたぞ~」

同級生の渡邊則子さんとともにホームを開設したのは、「あっきん」こと秋山秀行さん【画像⑫⑬】。近くで「日本一のだがし売り場」を経営しています。
「駄菓子おじさん」として店に立つ中、ここに来られない子どもたちに思いを馳せるようになったといいます。

(ファミリーホーム リンクス 秋山秀行さん)
「僕らの店には、いっぱい素晴らしい子どもの笑顔がありますけど、そこにこられない子どもの方が圧倒的に多くて」
「ここを無視して子どもの笑顔をなんて、とてもじゃないけど言ったらいかんなと。年間で20万件も虐待の事件がありながら、できることはないかなと思った」

2023年度に、全国の児童相談所に寄せられた虐待の相談件数は約22万5500件。このうち里親やファミリーホーム、児童養護施設などが受け入れたのは約4500件とわずか2%です。
こうした中、一人でも多くの子どもの力になれればと空き家を借りてホームを始めたのです。
(ファミリーホーム リンクス 秋山秀行さん)
「自分の生まれ育ちの中から出てきたのもありますね。会社がスタートがした時に、忙しくて親が面倒を見られる状態ではなかったので、3歳までは行商しているおじいちゃん、おばあちゃんに預けられて寂しかった」

「親の愛情をほしいけど、もらえない辛さというものが、自分なりには分かっていますので、虐待をする親の元に生まれた子どものことを考えると、とてもじゃないけど心が痛む」