昭和初期に建てられ、戦火も免れた鹿児島市の県教育会館。来月、取り壊されることになり、きょう27日、「おわかれ見学会」が開かれました。

県教育会館は1931年に建てられた鉄筋コンクリート造りの3階建てで、太平洋戦争でも焼け残りました。

管理する県教育会館維持財団は当初、建物の保存活用を模索していましたが、建物の購入希望者が見つかりませんでした。

(記者)「県教育会館。来月の解体を前に、最後のおわかれ見学会が行われています」

見学会にはおよそ30人が参加し、最後の姿を目に焼きつけていました。

こちらの階段の手すりの支柱には、花びらの中に島津家の家紋が描かれ、建物の土台部分には色合いの美しい加治木石が使われています。

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(参加者)「公立学校の事務職員だったので、よくここに来ていた。懐かしい」

(参加者)「残念。戦火を乗り越えてきた建物が無くなるのは残念」

(参加者)「壊しちゃうと無くなるから。寂しい」

(日本建築家協会九州支部鹿児島地域会 鰺坂徹代表幹事)「大正の洋式的な建築の形を残しながらモダニズムという、今の建物に移行する過程をよく表しているデザイン。鹿児島にはたくさんまだこういう建物はあるので、みんなで大切に使っていくことができれば」

跡地では東京の業者が6階建てのマンションを建設する計画で、教育会館の部材は一部保存する予定です。

見学会はあす28日も午前と午後に開かれ、事前予約は不要です。
(あす28日 午前10~12時・午後4~6時)